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ルピナス ブルーボネット

パソコンとの役割分担。やり始めたのはいいけれど、たまには壁にぶつかることもあります。それは私も同じでした。そこで、こうしたときの現状打破のヒントをいくつかあげてみます。

Point 1
ソフトウェア先行の視点を捨てる

前ページ「役割分担のコツ」のまとめにも書いたように、○○のソフトを自分の翻訳にどう応用(利用)できるかという視点から抜けられないと、つまづくことがよくあります。本サイトで提供しているプログラムをお持ちのユーザーさんが行き詰まる原因をみても、一番多いのがこのパターンです。

市場にあふれるパソコンソフトのほとんどが、その機能を強調した販売形式をとっています。これこれこういう機能があって、こんなところが便利!という感じです。言葉は悪いですが、ソフトを作る側が想定した使い方を各ユーザーに押しつけているわけです。

もちろん、向こうも商売ですから、そのこと自体は別に悪くはないと思います。ただ、こうした世界に慣らされすぎてしまうと、パソコンを利用した効率化は早い段階で頭打ちになります。

大切なのは、ソフトを手に入れてから使い方を考えるのではなく、自分の仕事の中で改善したい部分を先に見つけてから、それに合いそうなソフトを探すことです。これはどんなソフトを導入するときも共通して当てはまる、基本中の基本です。

ひとことメッセージ
すでに入手したソフトがあって、それをどう生かすかで悩んでいるのであれば、思い切ってそのソフトのことはいったん忘れることをオススメします。

ソフト(あるいはそのソフトが持つ機能)を中心に据えて、どうすればそれを活用できるかという方向で考えてしまうと、必ずどこかでつまづきます。ソフトのことは忘れて、自分の作業のどこをどう改善するとよいのかを考えてみましょう。

    
余談

本サイトで提供しているプログラムにも、(特に辞書パックに)相当な量の解説書・説明書を付けてあります。ただし、これは市販のソフトに付属しているマニュアルとは根本的に位置付けが異なります。ソフトのマニュアルがその機能や使い方の説明に重点をおいているのに対し、CT方式ではパソコンと役割分担をする上での発想法を重視しているからです。

もちろん、プログラムがある以上、使い方の説明をまったくしないわけにはいきませんから、仕様や動きに関する説明はゼロではありません。また、テクニック、ノウハウ、発想法といった形のないものは、ただ漫然と説明するだけでは人に伝えるのが難しいため、具体的な運用例も示してあります。示してはありますが、これはあくまでもひとつの例にすぎません。これにとらわれてしまうのではなく、常に自分の仕事の内容を中心にモノを見るようにしてもらえればと思います。


すべての機能を使おうとするのをやめる

何か改善したいことがあって、その目的に合いそうなソフトを探すときには、ひとつのソフト全体を「まとまり」として見るのではなく個々の機能に注目します。そして、条件に合うものを見つけたら、そのソフトの他の機能については気にせず放っておくことです。繰り返しますが、すべての機能を使おうと欲張らないことが大切なのです。

これは、分からないことを調べるときの姿勢とも共通しますね。
たとえば、辞書を何冊引いても載っていない単語や意味のよく分からない文があって、書店に本を探しに行くとします。そして、その単語の訳や意味(解説)が載っている良書を見つけたら、どうしますか?

欲しいのはたった一ページ、あるいは一段落……。でも、それが目の前の翻訳に役立つのであれば、そこだけのために手に入れる。これと同じです。使わなかった残りの数百ページは、以後いちども読まれることがないかもしれません。あるいは、ずっと後になって違うページが役に立つ日がくるかもしれません。それは誰にも分かりませんが、将来また違う場面で違うページが役立つのなら、それを使うまでです。

ソフトも、目的に合う機能があるのならば、まずはそれだけに注目します。

100の機能のうち、使うのは1つ。いいじゃないですか。

これが、長い目でみたときに自分の仕事を究極まで効率化するコツです。将来何か別の点を改善したいときに、手持ちの駒で活用できそうなものがあったらそれを使えばよいですし、なければ他をあたります。

ひとことメッセージ
手持ちのソフトの機能を使いこなせないと悩んでいる方、全部を使わなければいけないと思い込んでいませんか?実際に活用できている人がいるのだし、自分も同じようにできなければいけないと思い込んでいませんか?

人は人、自分は自分です。仕事の条件も違えば作業スタイルも違います。
他の誰かにとって有用だからといって、それが自分にも有用だとは限りません。逆に、誰も知らないようなマイナーなソフトの中に、自分にとっては神様のようなソフトがあってもいいのです。

そのマイナーなソフトのたったひとつの機能しか使わないとしても、それで目的が達成できるのならば十分です。もっと、気持ちを楽にもってみてください。

    
余談

本にしろソフトにしろ、高価なものになればなるほど、たった1語/たった1つの機能のために…という迷いが生じることかと思います。その気持ちは、とてもよく分かります。でも、もっと長い目で考えてみてください。

私が初心者の頃、調べ物で本を買うときは「1年を通して赤字にならなければよい」というつもりでいました。専門書には高価なものが多いため、目の前の案件だけで見ると足が出ることなど、日常茶飯事です。1件の翻訳で数十万円の赤字……。いいんです。

そんなことよりも、専門用語の誤訳を残さないことや、顧客との信頼関係を築くことの方が何倍も大事です。もし万が一、何ヶ月も赤字が続いて貯金が底をついたら、そのときはじめてどうするかを考えればよいのであって、起こってもいないことを心配してもはじまりません。

スキルアップにしろ効率化にしろ、何よりまずそのときどきで自分ができる精一杯のことをするのが、実は一番の近道ではないかと思います。

Point 3
ひとつだけで何とかしようとしない

自分の作業行程を見直して、パソコンに任せられる部分を見つけたら、それを実現するために必要なソフトを探します。ここで、うまい具合に見つかればよいですが、ドンピシャで当てはまるソフトが見つからないことも、よくあります。

そういうときは、ひとつの目的を達成するのに、複数のソフト(の機能)を使うことを考えてみます。たとえば、Aという語句をBという語句に置換するとき、Wordの置換機能だけではどうしてもうまくいかないとします。こういうときは、AをA1にするところまでをWordに任せ、他のソフトを使ってA1をA2にし、再度Wordに戻ってA2をBにするといった「細分化」ができないかを考えるわけです。案外、すんなり解決できたりしますので、ぜひいろいろと組み合わせてみてもらえればと思います。

ひとことメッセージ
解決したい目的は明確だけれど、どうすればそれが実現できるか分からなくて悩んでいる方がいらしたら、こちらまでお気軽にお問い合わせください。できる限りのお手伝いをさせて頂きます。


紙と鉛筆の延長から脱却する

まだパソコンがなかった頃、翻訳者は紙と鉛筆を使って翻訳をしていました。この紙と鉛筆がパソコンのモニターとキーボードになっただけ、あるいは紙の辞書が電子辞書になっただけという考え方をしていると、パソコンとの役割分担は難しいでしょう。

紙と鉛筆では決してできないことに目を向けてみる。これがパソコンと上手に二人三脚をしていく秘訣だと思います。