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あなたもいままでの10倍速く本が読める (ISBN 4894511193)

フォトリーディング・ホール・マインド・システムについて詳しく説明されています。本の読み方と翻訳の違いこそあれ、情報処理という視点でみるとCT方式もフォトリーディング・ホール・マインド・システムを有効利用しているといえるでしょう。

第1部 選択肢を広げる
第1章 フォトリーディングはこうして生まれた
(p.18〜33)
フォトリーディングが生まれた経緯、なぜこのようなことが可能になるのか、フォトリーディングで何ができるようになるかといったことが説明されています。p.29に、このシステムの真髄が単なるテクニックではなくパラダイム・シフト(ものの見方の転換)だというくだりがありますが、これは最近になって開発された新しい学習法やノウハウなどに共通して言えることです。

フォトリーディング・ホール・マインド・システムに限らず、マインドマップをはじめとする脳の仕組みに沿った手法はいずれも、単なるテクニックではありません。今後、脳についての謎が解明されていくにつれて、こうした新しいスキルも次々と出てくることでしょう。従来の常識を捨ててパラダイム・シフトすることが、こうした新しいスキルを身につける上では重要なキーになると思われます。

第2章 古い読書法に固執するか?それとも・・・(p.35〜58)
古い習慣から抜け出し、新しい学習法を先取りする上で必要なことに触れられています。この章に書かれていることはCT方式にもそのまま当てはまりますので、特に「原文を"読まずに読む"翻訳手法」を習得しようと思っている方は第2章全体を一読すると役立つことがあるでしょう。

もちろん、新しいスキルを習得するかしないか、習得する場合もどこまでレベルを上げるかを選択するのは皆さんですから、第2章を飛ばしてしまうのもひとつです。高いスキルを身につけることだけが人生のすべてではありませんし、今のままでいるという選択も決して悪いことではありません。スキルが低いときには低いなりに問題や悩みがあるものですが、レベルが上がれば上がったで別の問題や悩みが必ず出てきます。大切なのは、どのような選択をするにしろ自分の選択に自信を持って進むことでしょう。

第2部 フォトリーディング・ホール・マインド・システムを学ぶ
第3章 ステップ1−準備
(p.62〜77)
本を読み始める前に目的意識を持つことで、時間を上手に使って本から必要な情報を得られることが書かれています。本を読む場合の目的の例はp.64を参照していただくことにして、翻訳をする場合の目的として考えられるものをいくつかあげておきましょう。

・それを訳すことで、最終的に何がしたいのか
目の前にある案件を翻訳することで、自分の人生にどんな素材が欲しいのかです。クライアントを喜ばせたい(クライアントの喜ぶ顔が見たい)、感謝されることで自分が満足感を味わいたい、成功体験を蓄積したいといったこともあるでしょうし、あるいは特定のスキルを習得する材料にしたい、原文を速く読む力を付けたいこともあるでしょう。とにかく収入第一のこともあれば、興味でやってみたいときもあるかもしれません。

単純に翻訳文の品質を高めるということだけでいえば、多くの場合はクライアントに喜んでもらうことを目的にすると、おのずと品質は高くなっていきます。ただ、長年仕事をしていくうちには、他の目的で翻訳をしなければならないケースもないとはいえません。このようなとき、最初に目的を明確にしておくことで心理的な抵抗感を減らして時間と質のバランスを上手に取ることができるようになります。

・それは自分にとってどれだけ重要か
目の前にある案件を任されたことが、自分にとってどういう意味を持つのかです。相手がどういう思いでそれを自分に任せたのだろうかと考えてみると、その重みや意義、背後にある信頼関係の絆などが見えてきます。新しい取引先であれば継続して取引をしたいのかどうか、トライアルであれば登録してもらえればよいのかすぐに仕事が欲しいのかなど、判断の基準はいくつかあると思います。

フォトリーディング・ホール・マインド・システムで本を読む場合は、目的次第で「読む」対象が変わることがあるのに対し、翻訳の場合は目的を定めても定めなくても訳す対象は変わりません。この点は大きな違いではありますが、上達するために目的意識が大きく貢献するのは何をするときでも同じです。
目的を明確にしたら、次は文書を読む理想的な状態に入ります。

フォトリーディング・ホール・マインド・システムでは「ミカン集中法(tangerine technique)」という手法を使ってリラックスしながら集中した状態にしています。一方、翻訳の場合はリラックスした集中状態を保てれば必ずしもミカン集中法を使う必要はありません。実際、私自身はミカン集中法など知らない頃からずっとクラッシック音楽を利用して同様の状態を作り出してきました。

ここ数年の研究で、心身をリラックスさせるにはモーツァルトの曲が良いことが明らかになってきましたが、加速学習法のベースになっている心理学者ギオギ・ロザノフ博士の理論によれば、バロック音楽、古典派、ロマン派の音楽を用いると良いそうですので、モーツァルト以外の曲でもいろいろ試してみてください。

参考に付け加えておくと、『エブリデイ・ジーニアス』という本の中に次のようなくだりがあります。

 【コンサート・セッション】には、パッヘルベルの『カノン』、ヘンデルの『水上の音楽』、ベートーベンの『ピアノ協奏曲第五番・皇帝』のような曲が適しています。これらの音楽に合わせて大きな声で朗読すると、学習内容がたちまち長期記憶に刻まれていきます。
 また、脳が言語情報を処理するあいだ、脳の他の部分は音楽を楽しんでいます。このふたつが調和するとゆったりとした幸福感が生まれ、新たな情報の対する拒絶反応が消えていきます。幸福感は、肉体の健全な反応を引き起こすのです。

(『エブリデイ・ジーニアス』p.75ページより引用)

コンサート・セッションについての詳しい説明は避けますが、音楽が予想以上に大きな効果を生むことは、さまざまな実験結果をみても明らかです。よほどクラッシック音楽が嫌いな場合は別にして、低コストで効果を得られる方法のひとつとして試してみてはいかがでしょうか。

第4章 ステップ2−プレビュー(p.78〜91)
目の前にある文書に対する知識が多ければ多いほど読むことが楽になるため、フォトリーディングを行う前に文書についての「情報収集」を行います。これがプレビューのステップです。事前にプレビューを行うことで、文書の内容を理解するスピードが格段に上がります。

「原文を"読まずに読む"翻訳手法」では、これと同様の理屈で情報収集や翻訳の効率、精度、スピードを高めています。具体的には、コンピュータの手を借りて自動で訳語を埋める作業の直後に、結果としてプレビューと同じことを(結構詳細に)行うことになります。

このため、文字通りの翻訳作業に入る頃には、そこまでにかかった時間が数十分程度であるのにも関わらず、原文に対してかなり馴染みのある状態になります。人間の脳は馴染みのあるパターンしか理解できないという事実に照らしても、辞書パックのプログラムが理にかなったものであることがお分かり頂けるかと思います。

第5章 ステップ3−フォトリーディング(p.94〜116)
本のページを写真のように写し取っていくステップについて説明されています。つまり、主に本を読むことに主眼がおかれているわけですが、p.98に書かれているアファメーション(肯定的暗示)とp.100のフォトフォーカスは翻訳に伴う諸々の工程にも役立ちます。特にアファメーションを上手にやると、とても信じられないようなことでも簡単にできるようになります。いまひとつ信じられないという方は『クラズナー博士のあなたにもできるヒプノセラピー』『変な人が書いた心が千分の一だけ軽くなる話』『幸せな宝地図であなたの夢がかなう』『よく「遊ぶ人」ほど成功できる』などの本を読んでみると参考になるかもしれません。それぞれ対象読者や切り口は少しずつ違いますが、自分の思っていることや発する言葉によって結果が変わることの裏に共通する真理が見えてきます。

フォトフォーカスについては辞書パックユーザーの方から「うまくいかない」という声がときどき上がってきますが、あまり神経質にならずに最初はボーっと画面を見ている程度で十分です。画面上の一点を見つめるのではなく、ほんの少しだけ目の筋肉を緩めて画面全体を眺めるような感じです。

第6章 ステップ4−アクティベーション(p.117〜149)
フォトリーディングで本の情報を写真のように取り込んだ直後は、その内容を意識上で理解することができません。そこで、情報を意識上で活用できるようにする必要があります。そのためには、情報を脳に取り込んだ後に作業を中断し、最低でも10〜20分、できれば一晩時間をあけて熟成させる必要があります。情報が脳の中で整理されるまでには時間がかかるからです。

翻訳では文章を訳す作業と訳し終えた後のチェックとの間に時間をあける方がミスを減らせることが分かっていますが、特に「原文を"読まずに読む"翻訳手法」で訳した後は、半日程度の気分転換をするか一度眠って翌日になってからチェックに入るようにすると、翻訳終了後に続けてチェックをするよりも集中状態を長く保てます。

『あなたもいままでの10倍速く本が読める』第7章以降はフォトリーディングの活用方法や応用例を中心に書かれています。翻訳に当てはまることもいくつかありますが、ここでは目次の項目をあげるだけにとどめておきます。

第7章 ステップ5−高速リーディング(p.151〜164)
第3部 スキルを活用し、マスターしよう(p.167〜246)
第8章 フォトリーディング・ホール・マインド・システムを生活の一部に
第9章 グループ・アクティベーションで情報を共有する
第10章 シンピトリック・リーディングで生涯学習
第11章 ダイレクト・ラーニングで、あなたの才能を発見しよう

第12章 フォトリーディング・ホール・マインド・システムの極意