| 総括的に申し上げてまさに至れりつくせりの内容にことばもありません。具体的には以下に箇条書きさせていただくことにして、第一線のプロの仕事はいかであるべきか、調べ物の資料の真贋のつけ方、インターネットを用いてプロの翻訳者がどれほど多くのチェックを行って完成度の高い翻訳文を完成させているかを垣間見ることができました。
以前教わっていた弁理士の講師の方からは教えてもらえなかった内容も含まれており、また新たな発見もありとても有意義でした。参考資料、書籍案内、訳注あれこれ、Q&Aなども内容が充実しており、他社で通信や通学で多くの費用と時間をずいぶん無駄に遣った気分です。
・Googleによる検索方法に触れられています。専門用語をダブルコーテーションでくくる方法は知らないと苦労する点ですが、ピンポイントで紹介されていて親切であるとおもいます。翻訳をやっていて、どちらでも意味は通り、且つ理解可能な訳文ができてしまうことはよくあります。そのときにどちらがその分野に明るい人たちにより自然に受け入れられるかという観点で悩むことはよくあります。またGoogleでより多くヒットすれば良しとはしていない点が流石とおもいました。
・翻訳の選択肢が単語レベルで出てきて、担当者の経験や好みによってバッサリ間違いとされる危険性はどの分野でも起こり得ますが、ここに記されている訳注が添付されていれば、チェッカーやクライアントに対して良い印象が得られるとおもいます。
・特許jargonのsaidやtherewithについて触れられていましたが、herein とかthereof という言い回しに、はじめて触れた時のことを思い出しました。訳し方について3通りの技が示されているのは親切であるとおもいます。
・定冠詞のthe と不定冠詞のaについては、以前教わった講師にコテンパンにやられました。課題が日英の噴霧装置についてのクレームが中心の明細書作成の演習でしたが、そのときには、一回目に記述する時はaを用い、二回目以降はthe を用いること※、またそれに加えて特定、不特定についての用法も加わっていたために、かなり混乱した覚えがあります。またその講師の方は、said 否定主義者で、私たちには、saidの代わりにthe を用いて、jargonの少ないすっきりした英文を書くようによく言っていました。しかし今回水野様が引用してくださった文献を拝見して、saidとtheの使い分けがよく理解できました。
(愛知県在住 S.H.様、自営業兼フリー翻訳者)
※ みなさんに誤解のないように、一言書き添えておきます。一回目はa、二回目以降はtheというのは、あくまでも情報として初出のときは不定冠詞、二回目以降は定冠詞という意味です。単語としてみたときには、必ずしも初出が不定冠詞、二回目以降が定冠詞になるとは限りません。単語としては前に出てきている名詞でも、不定冠詞になることはあります。 by Mizuno
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