Word -  置換のワザ > 類似文の一括入力

翻訳の作業時、キーボードを叩く回数(ストローク数)を減らすことで処理速度を上げると同時に、タイプミスの可能性を減らして訳後の見直し作業の負荷を軽減することができます。

結果として、肉体的・精神的の両方の点で翻訳者の負担は軽減され、翻訳文の品質向上にもつながります。

ストローク数を減らす方法はいくつかありますが、そのひとつにワイルドカード置換を使って似たような文をまとめて入力(翻訳)するテクニックがあります。

主な条件式とパターンは以下のとおりです。

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範囲内の1文字  [ - ]
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検索対象とする文字列の範囲を指定するときに使います。

例)
 任意の半角数字 [0-9]
 任意の半角英字(大文字) [A-Z]
 任意の半角英字(小文字) [a-z]
 任意の半角英字 [a-zA-Z]
 任意の英字(全角半角とも) [a-zA-Za−zA−Z]
 任意の全角カタカナ [ア-ヾ]
 任意の半角カタカナ [ヲ-゚]
 任意の全角ひらがな [あ-ゞ]
 任意の全角ギリシャ文字(大文字) [Α-Ω]

※漢字を含む範囲指定の方法は、環境によって差があることが分かっています。必要な方は大変お手数ですがこちらまでお問い合わせください。

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繰返しの回数  { , }
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直前に指定した文字の繰り返し回数を指定するときに使います。

例)
 1文字以上9文字まで {1,9}
 5文字以上12文字まで {5,12}

※上限を省略して{1,}と書くと「1文字以上255文字」までという意味になります。

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式  ( )
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[検索する文字列]で、ワイルドカード検索の対象を指定するために使います。

[置換後の文字列]では、この式に対応する部分を\1、\2といった書き方で示します。これについては以下の置換例2を参照してください。

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【置換例1】
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[検索する文字列]
   The reaction mixture was heated to ([0-9]{1,3})℃.
[置換後の文字列]
   この反応混合物を\1℃まで加熱した。

ワイルドカードのチェックをオンにして[すべて置換]をクリックします。

「The reaction mixture was heated to」と「℃」の間に1〜3桁の数字が含まれている類似文を、数字を変えることなくまとめて置換することができます。

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【置換例2】
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[検索する文字列]
   The compound ([A-Z]) was heated to ([0-9]{2,})℃.
[置換後の文字列]
   化合物\1を\2℃まで加熱した。

ワイルドカードのチェックをオンにして[すべて置換]をクリックします。

「The compoundの後ろに大文字の半角英字が1つあり、「heated to」と「℃」の間に2桁以上の数字が含まれている類似文を、化合物を示す記号と数字を変えることなくまとめて置換することができます。

ここで、\1は[検索する文字列]で式に指定した([A-Z])に対応し、\2は([0-9]{2,})に対応しています。

要するに[検索する文字列]で式に指定した部分に対して、前から順に\1、\2、\3....と決まります。
これをどうしたいかによって、[置換後の文字列]での具体的な並びを決める必要があります。たとえば上の例で[置換後の文字列]の\1と\2の順序を変えて
  \2℃まで化合物\1を加熱した
というように書くと、この形で置換が行われます。


なお、式を2つ以上組み込んだ場合、片方しか条件に当てはまらないときは、置換は行われません。すべて当てはまって始めて置換されます。

The compound A was heated to 12℃.
→置換されます
The compound A was heated to 1℃.
→数字が条件から外れ、置換されません
The compound B was heated to 1200℃.
→置換されます
The compound f was heated to 1267℃.
→化合物が条件から外れ、置換されません

こんなこともできる!ワイルドカード

検索する文字列:
a cross-sectional view as taken along lines ([0-9]{1,})-([0-9]{1,}) in Figure ([0-9]{1,})

置換後の文字列:
図\3の線\1−\2で切った断面図

このように書くと、

a cross-sectional view as taken along lines 4-4 in Figure 1
a cross-sectional view as taken along lines 6-6 in Figure 2

などの文を、1回の操作で翻訳(入力)することができます。

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任意の1文字 ?
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0以上の文字 *
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検索エンジンなどでよく使われるワイルドカードと同じ機能です。

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【置換例3】
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「硫酸ナトリウム水素」と「炭酸ナトリウム水素」を一度に「硫酸水素ナトリウム」と「炭酸水素ナトリウム」に変更する場合

[検索する文字列]   (?酸)(ナトリウム)(水素)
[置換後の文字列]   \1\3\2

ワイルドカードのチェックをオンにして[すべて置換]をクリックします。
「酸ナトリウム水素」という文字列の前に任意の1文字を含む語が検索対象としてヒットし、語順の置き換えが行われます。

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段落記号
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通常の検索で段落記号を検索するには^pを使用します。ところが、ワイルドカードを使用すると^pを指定することができなくなります。そこで、ワイルドカード使用時には代わりに^13を指定します。
 
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条件に使われる文字の検索
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ワイルドカード検索では、条件の指定に使う文字(\、( )、{ }、?、*)がそれぞれ意味を持っています。このため、これらの文字そのものを検索対象にする場合は、それが「条件の一部」なのか「文字」なのかを区別しなければなりません。文字として検索対象にしたいときは、直前に\を入れて「\\」「\?」などとします。

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注意!
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ワイルドカードは便利ですが、十分に注意して条件を設定しないと考えてもいなかった文が一致して置換されてしまうことがあります。条件の設定にはくれぐれもご注意ください。正しい条件になっているかどうか不安なときは、置換時に[すべて置換]を使わずにひとつずつ確認しながら進める方がよいでしょう。

なお、条件式を書くときに使う[]や{}、ハイフンなどの記号はすべて半角です。
全角が入ってくるのは任意の文字として全角文字を指定するときだけになります。

 
  用語

ワイルドカード
任意の文字を意味する特殊文字のこと。
検索エンジンなどで使う「*」や「?」と同じです。
 
この特殊文字をワイルドカード用の条件式と組み合わせて使うことで、検索置換の幅が大きく広がります。
 
→Wordで
ワイルドカードを使うには
検索(Ctrl+F)や置換(Ctrl+H)のダイアログで[オプション]ボタンを押し、[ワイルドカードを使用する]にチェックを入れるだけ。
  検索オプション
 
  Learn more...
Wikipedia
ワイルドカード

 
IT用語辞典 e-Words
【wild card】

 
MS-Wordを使いこなす
文字列の検索

ワイルドカードを使った置換(事例)
 

  ワイルドカード活用には
Wordの検索ダイアログで「特殊文字」のボタンを押すと、段落記号(P)、タブ記号(T)、コメント記号(A)... といった選択肢が出てきます。

ところが、検索ダイアログの「ワイルドカード」にチェックを付けてから「特殊文字」ボタンを押すと、そこにはワイルドカードの条件を書くときに使うパターンが。

条件式を全部覚えておかなくても、忘れてしまったら先にチェックを付けてから「オプション」を押せばよいですね。

そしてもうひとつ、頻繁に使う条件式は仮名漢字変換システムに登録しておくと重宝します。

たとえば「すうじ」という読みで ([0-9]{1,}) を登録するという具合です。

仮名漢字変換システムへの登録は、Wordの[編集]−[日本語入力辞書への単語登録]を使います。

あらかじめ用意した条件式をクリップボードにコピーして単語登録画面を呼び出し、覚えやすい読みで登録しておくとよいでしょう。

 
 
 
 
 

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